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【RFC17】クォン・アソルとライト級王座決定戦。久米鷹介「ノーモーションのパンチに警戒」

Takasuke Kume【写真】取材をした水曜日午前は息上げのあと、道着を着て柔術トレ。この後、一度帰宅して、また夜にALIVEに戻ってきて2部練習となる(C)MMAPLANET

17日(日・現地時間)、韓国・ソウルのソウル・オリンピックホールで開催されるRFC17で、クォン・アソルとRFCライト級王座決定戦を戦う久米鷹介。

昨年はナム・ウィチョルに連敗し、2度に渡り同王座を取りのがした久米だが、今回のタイトル戦に関しては、自らは時期尚早と捉えていたようだ。大会まで2週間を切った久米にインタビューした。

──2月にエドゥアウド・シモエスに勝利し、このタイミングでライト級王座決定戦への出場が決まりました。

「自分としては去年、ナム・ウィチョル選手に2試合連続で負けてしまっているので、もう2試合ぐらい勝ってから王座を賭けて戦うというつもりでした。だから、オファーを受けた時は驚きました。そして、クォン・アソル選手に関してもライト級では1敗で、その後は2度連続して体重を落とせないなかで勝っている選手なので、このタイミングでタイトル戦かという思う要因にもなりました」

──久米選手は韓国内でも人気が高い選手です。そこで久米押しでタイトル戦を組んだ期待感の表れとも取れます。

「えぇと……、そういう部分があるのかと思うところもあるのですが、クォン・アソル選手はRoad FCジムで仕上げているようなので、そればかりじゃないのかとも……。RFCとしては体重を落とさせることも絶対なのでしょうが、4月のジオヴァンニ・ジニス戦でも既にソ・ドゥウォン選手がコーナーに就いていたので、やはりクォン・アソル選手をプッシュしているような気もしています。

正直、体重を2度も守ることができていない選手がベルトを賭けて戦う場に出てくることはあり得ないと思います。僕がこのタイミングでタイトル戦が組まれたことにも違和感を持ったのですが、それ以上に70キロに体重を落としていない相手と戦うのはおかしいと実はマネージャーさんにも伝えたんです。『それでもやってほしい』という風に要請を受けました」

──やや無理から感はありますが、クォン・アソルは体重さえ守ってくれれば、非常に素晴らしいファイターです……。

「ハイ、強い選手だと思っています。HEATで新美(吉太郎)さんが2試合戦った時に僕がセコンドに就いていて、1回目は急遽出場したにも関わらず、ギリギリのところで新美さんが勝ち、2回目は目の前でKOされているので、強いというイメージを持ち続けてきました。

僕が韓国で戦うようになってから、彼は徴兵で軍にいたので復帰直後は調子を落としていたようにも見えましたが、もう1年が経ち、4試合目ですし以前のような動きを取り戻していると思っています。タイトル云々とは別に、RFCで戦う限り、クォン・アソル選手とは戦うことになるだろうというのは頭にありました」

【写真】トレーニング・パートナーのなんたら(※日沖)発は「息抜き」と笑うが、攻められる展開が多い久米は息は抜けない……(C)MMAPLANET

【写真】トレーニング・パートナーのなんたら(※日沖)発は「息抜き」と笑うが、攻められる展開が多い久米は息は抜けない……(C)MMAPLANET

──このところ寝技で勝負をつけている点はどのように捉えていますか。

「結着は寝技になっていますが、そこに至る攻防でパンチを当てているので、当て勘は完全に戻っていると思います」

──成長著しい韓国勢ですが、ナム・ウィチョルと比較して、クォン・アソルの怖さはどこにありますか。

「組んでからは、ナム・ウィチョル選手の方が上だと思いますが、単純に打撃だけ見るとクォン・アソル選手の方が厳しい相手だと感じています。ノーモーションのパンチを警戒しないといけないですし、凄く柔らかい動きでパンチを出してきます。で、止まると思い切り踏み込んで、勢いのある一発を打ち込んできますし。

簡単にテイクダウンできる相手ではないので、ある程度打撃戦で自分の良い流れを作って組む必要もありますね。相手のペース、距離で戦わないことが大切になってきます。フェイントを織り交ぜて、プレッシャーを掛けて戦わないとテイクダウンも簡単ではないはずです。触るだけも、色々と惑わせることができるようになるので、組みと打撃を織り交ぜてタイミングを外して戦いたいです。

何より、パンチを被弾しないことを意識して戦わないといけないです。僕はいつも殴られると、動きも頭も固くなってしまうので、そこは絶対にないように気をつけます」

──パンチを受けると、カッとなって大きな振りのフック系のパンチを繰り出して、足が止まってしまう傾向が久米選手にはあります。

「だから、いつもこういうことを言っているのですが……。あの戦い方を続けると、そこで倒されてしまう可能性もあるので、気を付けないといけないです。ともかく、ナム・ウィチョル選手に連敗して、やはり韓国人選手に3連敗はできないです」

──そういう風に考えると、動くも固くなってしまいませんか。

「う~ん……、でも僕はやっぱり勝ちに拘りたいですし、勝っても負けても思い切り戦うとかっていうことは口にできないです。勝っても負けてもって考えると、しっかりと戦えないと思います。絶対に勝ちたいと思っています。

RFCの会場ではいつも韓国人のファンの方からも暖かい声をかけてもらえますし、日本からもたくさん応援に来てくれますから、期待して応援してくれる人達にベルトを巻いた姿を見て欲しいです。7月の大会で福田力選手と高瀬大樹選手が良い勝ち方をしているので、僕も続きたいと思います。負けられないです」

■RFC17対戦カード

<女子47.5kg契約/5分2R>
ソン・ガヨン(韓国)
山本絵美(日本)

<RFCライト級王座決定戦/5分3R>
久米鷹介(日本)
クォン・アソル(韓国)

<バンタム級/5分3R>
イ・ユンジュン(韓国)
チアゴ・シウバ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
パク・ジョンギョ(韓国)
アン・サンイル(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
キム・ネチョル(韓国)
ユ・ヤンレ(韓国)

■ Young Guns16対戦カード

<ライト級/5分2R>
ジョン・ドゥジェ(韓国)
ムン・ギボム(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ジョンフン(韓国)
ホン・ジョンギ(韓国)

<フライ級/5分2R>
キム・テギュン(韓国)
クァク・ジョンヒョン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
パク・ジョンミン(韓国)
ホン・ソンジン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
チェ・ムソン(韓国)
ソ・ジンス(韓国)

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