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【UFC175】死闘制したワイドマン、リョートを振り切りベルト守る

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
クリス・ワイドマン(米国)
Def.3-0:49-45, 49-46, 48-47
リョート・マチダ(ブラジル/3位)

開始早々、ゆっくりと右のミドル、ハイを見せたワイドマン。続いて勢いをつけて右ローを放っていく。左に回るリョートは右ミドルを捌いて、さらに左へ回る。リョートはサークリングを続けワイドマンの前進にはバックステップ、そしてアングルを変えて間合いを測る。左ミドルをキャッチしたワイドマンが、テイクダウンを仕掛けるもリョートがワキを差し上げて防御する。ワイドマンは右ローから右ミドル、さらに右ストレートを打ち込む。

距離が近づき、パンチを被弾したリョートが右へ回る。これだけ詰められると、リョートも攻撃に繋げるステップワークを取れない。右の蹴りを連続する王者に対し、リョートは左ストレートをカウンターで放つ。当たりは浅かったが、顔面に被弾したワイドマンは左ハイをブロックすると、自ら右ハイを放っていく。リョートの前進には左に回って、アウトから左フックを狙うなど、ステップワークでもワイドマンは遅れを取らない。残り40秒、リョートの左ミドルをワイドマンがキャッチしそこなう。残り10秒、ワイドマンの右ストレートにヒザを合わせたリョートだが、手数でチャンピオンのラウンドとなったか。

2R、素早い左ローを見せたリョート。ワイドマンも右ローを返す。スイッチしたリョートは右の前蹴り。サウスポーに戻し、ワイドマンの右ストレートをスウェイのような形でかわす。右ローに左ストレートを合わすリョートだが、ワイドマンはパンチを受けてもプレッシャーを与え続ける。リョートは左ロー、突きから右前蹴りを繰り出す。右フックから前に出ると、ワイドマンも右フックを振るう。

ケージの前でも、何とかフットワークを駆使しているリョートが、オクタゴン中央に出ていくシーンも増えてくる。右回りから左ハイを見せたリョート、ワイドマンはブロックし逆にサウスポーに構える。しかし、リョートの左ストレートを受けオーソに戻すと、残り1分を切りダブルレッグでテイクダウンに成功する。ケージに押し込まれパンチを被弾したリョートは、立ち上がり際にヒザを2発受けた。

3R、左ジャブから前に出てくるワイドマン、リョートはハイを見せ、テイクダウン狙いを切る。ハイを増やし、ワイドマンの姿勢を起こそうとするリョートは、左の突きを伸ばす。ワイドマンは再びダブルレッグを切られるも、直後にパンチから組んでテイクダウンを奪取する。フックガードのリョートはワキを差させないがエルボーを受ける。亀になったリョートのバックに回ったワイドマン、リョートはヒザを受けながら正対する。

ワンツーをリョートに打ち込んだチャンピオンは、さらに右ストレートから左フックを伸ばす。眉間をカットしたリョートは、ヒザ蹴りにテイクダウンを合わされる。またもバックを取ったワイドマンが、後方からパンチを頭に打ち込み、大きく抱え上げてリョートを前方に落す。殴られながら立ち上がったリョートが左ハイ、ワイドマンがブロックしたところで3Rが終了した。

4R、疲弊が目立つリョートに対して、ワイドマンは顔も綺麗で呼吸も乱れがない。鋭いローを見せたリョートは、オーソに構え右へ回る。そしてオーソに戻したところでワイドマンは右ヒザを見せる。左ミドルを受けても、「来い、来い」と両手で手招きするワイドマンは、パンチの交換のあと、シングルでリョートをケージに押し込んでいく。

リョートの左を受けて、一瞬、動きが固まったワイドマンも、ついに荒い息をするようになる。左を受けて下がったワイドマン、リョートはワンツーで前に出る。リョートの左ハイは決まらなかったが、続くボディがワイドマンを打ち抜く。ここで一気に動きが落ちたワイドマン、パンチも足が前に出ず手打ちになっている。ワイドマンの左フックをよけて、リョートが右を入れる。オーソから右蹴りと腹を攻めるチャレンジャーは、左の前蹴りを入れる。残り30秒、ワイドマンのダブルレッグを切ったリョートが左から、手をついて回し蹴り。左ストレートを打ち込んだところで、4Rがタイムアップに。リョートが初めて、明確にラウンドを取った。

試合の流れが変わりかけ、入り方が非常に大切になってくる最終回。テイクダウン狙いに左ミドルを頭部に受けたワイドマンは、組みにも力が感じられなくなる。リョートはワンツーから前に出る。右前蹴り、左に回って左ストレートとリョートの勢いが続く。シングルを切ったリョートが右ショートフック、ワイドマンは首相撲の態勢に入るとボディに2発ニーを突き上げる。距離を取ったリョート、ここでワイドマンの右ストレートがリョートを捉える。

左も受けたリョート、右ジャブを見せるもワイドマンの左から右ハイを受けそうになる。ワイドマンのヒザ、エルボーがリョートを捉える。リョートも左を返すが残り2分、流れを引き寄せたワイドマンのダブルレッグが決まる。ワイドマンは左エルボーを落とし、時間を掛けるようにハーフへ。ニースライドからマウント、リョートが背中を見せるとバックマウントから体を伸ばさせる。リョートは何とか立ち上がって距離を取り直すと、右ストレートから前に出て、ヒザ蹴りと最後のラッシュを掛ける。

受け身に回ったワイドマンに対し、リョートは最後の10秒でエルボーの猛攻を仕掛ける。しかし、その10秒間、手を出し続けることができないほどリョートは疲弊しており、館内から大歓声が起こるならタイムアップに。ワイドマンは2Rと3Rを明確に取り、リョートは4Rをモノにしている。1Rと5R、ワイドマンが攻勢だったと思われるが、果たしてジャッジの裁定は──。49-45、49-46、48-47でワイドマンに凱歌が挙がった。

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