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【WJJC】嶋田裕太、ALMA特製道着でワールド柔術の頂点へ

2014.05.27

ALMA

【写真】黒が既製品、白が今回、嶋田裕太専用に作られたALMA特製道着 (C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)から6月1日(日・同)までカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア州立大学で開催されるワールド柔術チャンピオンシップ。柔術の頂点を決めるIBJJF主宰の世界最大のトーナメントには例年、日本から数多くの柔術家がチャレンジしている。

黒帯に留まらず、白帯から茶帯までも世界中から出場者が集う柔術特有の世界選手権=ワールド。昨年、紫帯ライトフェザー級で準優勝に輝いた嶋田裕太は、ブラジレイロ同級優勝、アジア・オープンも制しており日本柔術界の将来を担う存在だ。

今年も紫帯ライトフェザー級に出場する嶋田に、強い味方が現れた。「格闘技のためのLIFE」でお馴染みのALMAから、オーダーメイドの特注道着を用意されることとなったのだ。今回、彼が所属するネクサセンスの師・植松直哉とともに、世界の頂点に立つために出されたリクエストに応えた特注道着。勝つための道着、特別に注文された部分を植松に説明してもらった。

01【袖&袖口を大きく】同じA-1でも既製品と比較すると、これだけ袖、袖口の幅が違う。

「袖を太くしてもらっています。袖を狭くすれば、掴まれ難いのですが、その反面、一度掴まれると手繰られやすくなり、こちらは動きづらくなって、解けなくなります。太くすると、掴まれやすいのですが、自分も動きの制限は小さく、しっかりと対応すれば狭いときよりも、切りやすくなります。今回は既製品より太く、柔術の規定が7センチなので、それより長くしてもらいました。袖口も狭いと袋取りされたときに手が回りませんが、広いと腕を動かしやすく即コントロールされません」

02【縫い目が3本】写真では分かり辛いが、既製品の黒道着は縫い目が2本、嶋田選手用の特注着は3本縫い目がある。

「袖口は既製品だと縫い目が2本ですが、3本にしてもらっています。縫い目が多いと固くなり、指が掛かり辛くなるからです。素材を変えず、同じ布でも縫い目が増えることで、固さを出してもらいました。生地を重ねると、ルール上認められなくなるかもしれないので、縫い目を増やしました。ここには規定がありません。縫い目は多ければ多いほど固くなるので、職人さんと相談して、今後はもっと増やしてもらう可能性もあります」

03【スリットを深く】黒道着と比較すると、スリットの深さは明らかだ。

「スリットを深くすることで、より体に巻きついて動きやすくなります。もともと洋服は立体的ですが、和服の構造は平面なのでサイズを大きくしたり、切り込みをいれて体に巻きつくようになっています。それと同じ工夫ですね」

04【背中の当て布なし】黒道着は当て布で補強し耐久性を増しているが、白道着には縫い目が見られない。ペラペラといえばペラペラだ。

「背中には当て布が既製品にはあるのですが、これを取ることで軽くなります。練習で着るような耐久性を求めていなくて、大袈裟にいえばトーナメントを戦い切れればという考えの下、最大限に軽量化を考えています。佐々幸範選手が特注着で用いた方法に倣わせてもらいました。柔術は階級制、道着込みで計量するので、その対策ですね。ズボンでもヒザの部分の当て布を取る人いますが、逆にペラペラ過ぎて掴まれやすいということもあり、ここは取ってもらっていません」

05【ズボンの腰部分の裾の穴を小さく】比較対象がない写真だが、一見して小さくなっているのは実際に目にすると明らかだ。

「一言、ベリンボロ対策です。帯や尻の部分を掴めない場合、この穴に指を入れてくる相手もいますので、なるべく突っ込まれないよう穴を小さくしてもらっています」

06【股上が浅い】これも比較対象がないが、この長さが嶋田の臀部にフィットしているということになる。

「既製品よりも股上が短くなっています。お尻がキツキツになって掴まれ難いようにするためです。袖は掴まれても、自分で動かすことができるので抵抗できます。でも、お尻は動かせないので。何よりもお尻を掴まれるときは、完全にやられている時なんです。腕は攻防のなかで掴まれるのですが、お尻は防御のためだけにパツンパツンにしています。股上が深いと、デラヒーバフックとか相手の足が引っ掛かりやすくなってしまうので、そういう部分も防ぎたいと思いました」

Yuta Shimada
【写真】道場に住み込みで、柔術一色の生活を送る嶋田裕太(C)MMAPLANET

このALMA特注道着をサイズはオーダーメイド。身幅に寸法を合せことで、片方を掴まれても道着と体にズレがなくなることも。バランスの崩し合いである柔術では、明らかにアドバンテージを握ることになる。「少し大きめに作っていただいているので、洗濯して乾燥機にかけ体によりフィットさせる」(植松)という特注道着。その袖に腕を通しワールドに挑む嶋田は、大学も休学、下宿先も引き払うと、ネクサセンスに生活道具一式を持ち込み、マットの上で寝起きするなど、柔術一色の生活を送っている。

「ALMAさんにかなり我儘を言って、特注道着を作っていただきました。去年は準優勝だったので、この道着を着て今年は必ず優勝します」と意気込みを語る嶋田の健闘、世界制覇に期待したい。

嶋田を応援し特注道着を作成したマーシャルワールドの梅田久也氏も「植松さんの指導で、自分たちも知らないことを教えてもらえました。道着を一段階、進化させることができたと思います」という満足の一品。世界に一つしかない、自分だけの道着をお求めの方は、alma.jpからオーダーできます。なお、電話でのお問い合わせ先はマーシャルワールド水道橋店(TEL:03-5684-1405)へ。採寸日程や場所については応相談、商品代金+仕立て代(¥10,000~)が目安になります。

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