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【UFC143】巻き返し型・克服が鍵、ニック×コンディット

2012.02.02

Diaz4日(土・現地時間)にラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで開催されるUFC143「Diaz vsCondit」。メインは暫定世界ウェルター級王座決定戦、ニック・ディアズ×カーロス・コンディット戦――GSPの負傷に翻弄された二人の戦いとなる。

【写真】なかなかGSPとの夢の対戦が実現しないニック・ディアズ。カーロス・コンディットも簡単な相手ではない (C)MMAPLANET

UFCカムバックを果たした、ストライクフォース世界ウェルター級王者のニック。即UFC世界ウェルター級王座挑戦が決定したが、記者会見をすっぽかしことで挑戦権を剥奪され、その代役として、10月にGSPへの挑戦が決まったのがコンディットだった。しかし、王者の負傷によりコンディットの世界戦は延期され、しかも本来彼が戦う予定だったBJ・ペンに完勝したニックが挑戦権までかっさらってしまう。

そんな逆境にも負けず、スーパーボール・ウィークエンドにはジョシュ・コスチェックとの対戦が決まっていたコンディットだったが、昨年12月に入りGSPが再び負傷し、復帰まで10カ月はかかる見込みであることが判明。暫定世界王座決定戦ながら、コンディットがディアズと対戦することとなった。


ニックには会見ドタキャンという非があるが、10月に対BJ→対GSPと世界戦→延期→世界戦消滅=2月4日に対コスチェック→対ニックで暫定世界戦――と大河を流れる一葉のように、UFCタイトル戦線で翻弄され続けたコンディットは、気の毒というほかない。

Condit【写真】過去エヴァンゲリスタ・サイボーグのローに苦しみながらも、マリウス・ザロムスキーには何もさせなかったニックに、コンディットの足技は通用するか(C) GONGKAKUTOGI

それでも、この試合は彼のキャリアにとって非常に大切な一戦、集中できているに違いない。アップライトの構えから、パンチやヒザ蹴りを駆使するコンディットだが、ガードの甘さは常に指摘されてきた。ジェイク・エレンバーガーやローリー・マクドナルド戦では、よもやTKO負けというシーンも見せている。

ガードやタートルポジションで、殴られ続けながら、ほんのわずかなチャンスにエルボーやパウンドを入れて、大逆転勝利を手にしてはいるものの、ニックは相手の打撃でダメージを受けると、パンチで仕留めるだけでなく、絞め技や関節技に移行できるファイターなので、先手を取られることは避けたい。

と同時に、ニックにしても、ストライクフォース時代にはエヴァンゲリスタ・サイボーグ、そしてポール・デイリー戦と、序盤の打撃戦で大苦戦を強いられたこともある。ある意味、スロースターターで、ダメージの回復力が抜群、さらに精神的な強さという共通点を持つ。

だからこそ、この試合で勝てばGSPとの統一戦が控えている両者、最初にチャンスを得た勢いのまま、仕留め切る強さが必要だ。ドラマチックな逆転勝利よりも、ファーストチャンスを得たファイターのフィニッシュ能力が問われることとなる。


■UFC 143対戦カード

<UFC暫定世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ニック・ディアズ(米国)
カーロス・コンディット(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国)
ファブリシオ・ベルドゥム(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
マイク・ピレース(米国)

<バンタム級/5分3R>
ヘナン・バラォン(ブラジル)
スコット・ヨルゲンセン(米国)

<ミドル級/5分3R>
エド・ハーマン(米国)
クリフォード・スタークス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国)
マック・ホロウェイ(米国)

<バンタム級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
エドウィン・フィゲロア(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マット・ブラウン(米国)
クリス・コープ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マチュー・リデル(米国)
ヘンリー・マルチネス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
マイケル・キッパー(オランダ)

<ウェルター級/5分3R>
ダン・シッゲン(米国)
ステファン・トンプソン(米国)

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