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【TUF14】バンタム級決勝は、トップコンテンダー争い

2011.12.02

3日(土・現地時間)、ラスベガスのザ・パールで行われるTUF 14 Finale。フェザー級とバンタム級、8人ずつのファイターが6桁複数年契約を勝ち取るために生き残り合戦に臨んだ今シーズン、フェザー級がデニス・ベルムデス×ディエゴ・ブランダォン、バンタム級はジョン・ドットソンとTJ・ディラショーの二人がファイナルに勝ち残った。

レスリング・ベースのディラショーは、ユライア・フェイバーやチャド・メンデス、そしてジョセフ・ベナビデスのチーム・アルファメールに所属しており、4勝0敗のレコードを引っさげてTUFにトライした。イリミネーション・ファイトで、元KOTC世界バンタム級王者で戦極フェザー級GPに出場したマット・ジャガースをグラウンドのエルボーで破り、ホーム入りを決めた。

チーム・ビスピンの2人目のピック(通算3人目のセレクト)のディラショーは、準々決勝でロランド・デロームをリアネキドチョーク、準決勝でダスティ・ペイグを判定で下し、決勝進出を果たしている。

スイッチを織り交ぜるスタイルは、同門ベナビデスのような戦い方で、そのベナビデスのリーチが長いバージョンといえる。当然、テイクダウンも得意としており、特筆すべきは中腰からパウンドを落とす際のバランスの良さだ。


加えて果敢にポジションを奪うトップコントロールは、柔術への熟練度の高さも伺える。ガードを取る相手がワキを差してくると、ダースチョークをすかさず仕掛けるなど、首系チョークが得意なのは、チーム・アルファメール所属ファイターらしい。

一方のドッドソンはプロMMAデビューを日本で戦った特異なキャリアの持ち主だ。漆谷康宏という後の日本を代表するフライ級ファイターを相手に、判定負けながら堂々のデビュー戦を戦ったドッドソン、シーズン14出場ファイターのなかでも、小柄な部類で上背だけならフライ級の体格の持ち主だ。

昨年5月、米国・太平洋岸の人材育成ナンバーワン育成大会=TPFで、日本のマモルと対戦が決定していたが、TUF出演を選択し、バンタム級にチャレンジした。そんな背水の陣を敷いたドットソンは、持ち前の左ストレートの強さを武器に、体格差を跳ね飛ばすファイトを展開して決勝に歩を進めることとなった。

グレッグ・ジャクソン門下らしく、そつのない戦い方をするドッドソン。ファイナルまでの3試合はそれぞれTKO勝ち、一本勝ち、判定勝ちと勝ち方が違っており、戦いの幅があることを表している。

体格的にはハンデがあるが、ディラショーのガードは低く、またスイッチを多用しても、打撃で攻める際はオーソでパンチは右が主体、テイクダウン狙いのときは右手が前にきた(打撃で言うところの)サウスポーの構えから仕掛けるなど、目的がハッキリしており、ドッドソン陣営では左を打ち込むタイミングを十分に練り込んでいるに違いない。

収録終了時の力でいえば、完成度の高さは圧倒的にドッドソン。ただし、ノビシロが残っているのはディラショーという見方も成り立つ。この間、本来所属するジムでどれだけ力をつけ、対戦相手を研究してきたかで、ディラショーの完成度は、シーズン中よりも一段と高まっていることも考えられる。

いずれにせよ、このTUFシーズン14バンタム級トーナメント決勝は、単なるTUFウィナーが決定する試合でなく、バンタム級トップコンテンダーが生まれるファイトになる。それほどレベルの高いシーズン14バンタム級トーナメントだった。

■TUF14Finaleの対戦カード

<ミドル/5分5R>
マイケル・ビスピン(英国)
ジェイソン・ミラー(米国)

<TUF14フェザー級決勝/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国)
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)

<TUF14バンタム級決勝/5分3R>
TJ・ディラショー(米国)
ジョン・ドッドソン(米国)

<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
イーブス・エドワーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ベッドフォード(米国)
ルイス・ゴルディーノ(米国)

<フェザー級/5分3R>
マーカス・ブリメージ(米国)
スティーブン・ベイス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ダスティン・ペイグ(米国)
ジョン・アルバート(米国)

<バンタム級/5分3R>
ロナルド・デローム(カナダ)
ジョシュ・ファーガソン(米国)

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