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【UFC87】GSPが完全防衛。BJ・ペンと最強対決へ

ufc87_10_st-pierre_vs_fitch_0128月9日(土・現地時間)、米国ミネソタ州ミネアポリスのターゲットセンターにて『UFC87 SEEK and DESTROY』が開催。メインイベントでは、ジョルジュ・サンピエール(以下、GSP)×ジョン・フィッチのUFC世界ウェルター級選手権試合が行われた。

【写真】最強のチャレンジャーを相手にパーフェクト防衛を果たしたGSP (C)ZUFFA

UFC無敗、最強の挑戦者フィッチを相手に迎えた王者GSPが、試合では計り知れない強さを見せつけ、王座防衛に成功。試合後には、「フィッチは凄く強くて、僕を強くしてくれた試合になった。次?誰とだって戦うよ」と発言したところで、BJ・ペンがオクタゴンに登場、ペンは「チャンピオン同士で試合をやろう、戦うか?」と返答した。GSPとBJ・ペン。世界最強の称号を持つ二人が、再び拳を合わせるのは、どうやら今年の年末となりそうだ。

また、セミファイナルでは、UFC第2戦目となるブロック・レスナーがヒース・ヒーリングと激突。地元の大歓声を背に、オクタゴンに姿を現したレスナーは、1R序盤に強烈な右ストレートを振り抜くと、ヒーリングは後方に一回転するダウン。2R以降、その爆発力は持続せず、終盤には尻つぼみとなって、スタミナもロスしたレスナーだったが、最後はきっちり判定勝ちをスコア。MMAキャリア3戦目で、その勝ち方が身に付きつつあることを感じさせた勝利であった。

そして、第7試合で行われた、事実上のライト級次期挑戦者決定戦、ロジャー・フエルタ×ケニー・フロリアンの一戦は、エル・マタドール(=フエルタ)を、いいようにあしらったフロリアンが盤石の試合を展開。フエルタの積極性を利用し、フロリアンが自らの手のひらの上で踊らせながら、ジワジワとスタミナを奪っていくと、終始安定した試合運びで最後は判定勝ち。再び王座挑戦を射程圏内に入れたフロリアンだが、この日、王者BJ・ペンがGSPとの対戦に動き出し、ライト級戦線が混沌としてきただけに、今度の展開にも注目が集まりそうだ。

■UFC87全試合結果【主要試合レポートへ

第10試合 UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R
【王者】
○ジョルジュ・サンピエール
(カナダ)
5R終了
判定
【挑戦者】
ジョン・フィッチ×
(米国)
第9試合 ヘビー級/5分3R
○ブロック・レスナー
(米国)
3R終了
判定
ヒース・ヒーリング×
(米国)
第8試合 ライト級/5分3R
×マニー・ガンバーリャン
(アルメニア)
1R12秒
TKO
ロブ・エマーソン○
(米国)
第7試合 ライト級/5分3R
○ケニー・フロリアン
(米国)
3R終了
判定
ロジャー・フエルタ×
(米国)
第6試合 ミドル級/5分3R
×ジェイソン・マクドナルド
(カナダ)
3R2分44秒
チョークスリーパー
デミアン・マイア○
(ブラジル)
第5試合 ウェルター級/5分3R
×ルーク・クモ
(米国)
3R終了
判定
タンデム・マックローリー○
(米国)
第4試合 ヘビー級/5分3R
○チーク・コンゴ
(フランス)
1R4分55秒
TKO
ダン・エヴァンセン×
(米国)
第3試合 ライトヘビー級/5分3R
×アンドレ・グスマォン
(米国)
3R終了
判定
ジョン・ジョーンズ○
(米国)
第2試合 ウェルター級/5分3R
○クリス・ウィルソン
(米国)
3R終了
判定
スティーブ・ブルーノ×
(米国)
第1試合 ウェルター級/5分3R
×ライアン・トーマス
(米国)
2R2分28秒
腕ひしぎ十字固め
ベン・サンダース○
(米国)


ufc87_04_kongo_vs_evenson_005■第4試合 ヘビー級/5分3R
チーク・コンゴ
Def.1R4分55秒/TKO
ダン・エヴァンセン

ローを連打し、テイクダウンに成功したコンゴは、立ち上がってガードを取るエヴァンセンにローを入れる。下から蹴りを狙うエヴァンセンの足はむなしく空を切り、レフェリーがブレイクを宣言、試合はスタンドへ戻る。両足タックルで組みついたコンゴは、そのフィジカルの強さを生かし、エヴァンセンのギロチンも意に介せず、テイクダウンを狙い続ける。

そのままテイクダウンに成功したコンゴは、ハーフガードの状態からパウンドを落とし、自ら立ち上がると、レフェリーが再びブレイクを命じる。スタンドに戻ったコンゴは、左ミドルから右ストレートでエヴァンセンをノックアウトするや、パウンドの連打でTKO勝ちした。


ufc87_06_maia_vs_macdonald_007■第6試合 ミドル級/5分3R
デミアン・マイア
Def.3R2分44秒/チョークスリーパー
ジェイソン・マクドナルド

前に出てパンチを放ち、マクドナルドがテイクダウンに成功する。パスガードを狙うが、マイアは、右腕をかんぬきに極めたまま三角絞めへ。秒殺で試合が終わると思われたが、これを逃れたマクドナルドがなんとバックマウントを奪取。

マウントから足を入れて、クローズドガードに戻したマイアだが、スイープ狙いを潰され、パウンドを受ける。マクドナルドは、パス狙いから首をコントロールし、自らガードをとりギロチンの態勢へ。マイアは首を引き抜き、パスに成功。直後にバックマウントを奪い、チョークを仕掛ける。マイアの手首を掴み、マクドナルドはこのピンチも逃げ切って1Rが終了した。

2R開始早々、飛び込んだマクドナルドにマイアの右フック、ヒザ蹴りがヒット。それでも組みつきながら、押し込んできたマクドナルドに対し、マイアは首相撲からヒザを連打し、直後にテイクダウンを奪う。

簡単にフルマウントを取ったマイアは、ヒザを押して足を戻そうとするマクドナルドの顔面にパンチを落としていく。柔術セレブらしからぬ、左右のエルボーというえげつない攻撃を続け、肩固めへ。抜群のマウントキープを見せたマイアだったが、マクドナルドは胴に組みついてブリッジから足を一本戻すことに成功する。

それでもマイアは全く意に介せずマウントを奪い返すと、マクドナルドのブリッジに腕十字を合わせる。驚異の粘りを見せるマクドナルドは、これもエスケープ。試合は最終ラウンドへ。

片足タックルから、テイクダウンを奪ったマイア。ギロチンを抜け、トップをキープしようとしたが、マクドナルドはガードから両足タックルで態勢を逆転する。マイアをケージにつめてパスを狙うが、片足タックルでトップを奪い返されてしまう。それでも、体を反転させトップをキープしたマクドナルドだったが、最後はマイアが足をすくい、マウントポジションへ。

細かいパンチを落とし、バックマウントからチョークをしかけると、ついにマクドナルドがタップアウト。予想もしなかったグラウンドウォーにも関わらず、最後は柔術セレブがしっかりと一本勝ちを手にした。


ufc87_07_florian_vs_huerta_012■第7試合 ライト級/5分3R
ケニー・フロリアン
Def.3R終了/判定
ロジャー・フエルタ

フエルタの左ローで試合がスタート。しっかりと距離を見切っているフロリアンは、フエルタのスーパーマンパンチをかわしていく。そしてカウンターの片足タックルでテイクダウンを奪うと、直後にマウントを奪取。抜群のフィジカルを活かして、バックマウントをとらせながら、立ち上がることに成功したフエルタ。地元のファンは、フエルタコールでサポートする。

スタンドに戻ると、ヒザ蹴りをヒットさせたフエルタが、今度はテイクダウンを狙う。フロリアンをケージに押し込んで、細かいアッパーを放つと、フロリアンはエルボーで対抗し距離を取る。首相撲からボディへのヒザ蹴りを二発ヒットさせると、フエルタのガードが下がる。このダメージが、いかに試合に影響を及ぼすか、ここで1Rが終了した。

2R、飛び込んでパンチからテイクダウンを狙い、アグレッシブな姿勢を崩さないフエルタ。フロリアンはその積極性を利用し、自らの手のひらの上でフエルタを踊らせジワジワとフエルタのスタミナを奪っていく。

低い体勢で片足タックルを仕掛けたフロリアン。アームロックで切り返したフエルタをキャンバスに這わせ、バックマウントを奪取。背中を伸ばされたフエルタは、懇親の力をこめて立ち上がる。グラウンドにこだわらず、スタンドに戻ったフロリアンは、ロー、首相撲からボディへヒザを入れていく。明らかにスタミナをロスし、バランスが悪くなってきたフエルタに左ミドルから右フックをヒットさせたところで、ラウンド終了のホーンを鳴った。

最終回、飛び込んできたフエルタにカウンターのテイクダウン。倒れないフエルタに、フロリアンは、ジャンピングニーから倒すことに成功するとヒザ十字を狙いつつ鉄槌を落としトップをキープ。シッティングガードからタックルを仕掛けたフエルタ、立ち上がってスタンドの距離をとる。

離れては左ヒザ、左ミドル、距離が近づくと思い切りエルボーを放ったフロリアン。これは空振りに終わると、またも距離をとりなおし、前に出続けるフエルタに右ジャブ。完全に自分の距離で戦うフロリアンが、フエルタの攻撃をいなしていく。

ようやく右をヒットさせたフエルタだったが、距離がつまると首相撲からヒザをボディに受けてしまう。残り時間20秒になってテイクダウンに成功するなど、盤石の試合展開を見せたフロリアン。エル・マタドールを、いいようにあしらったフロリアンがジャッジ3者が30-27をつける圧倒的な判定勝ちを手にした。


ufc87_08_emerson_vs_gamburyan_002■第8試合 ライト級/5分3R
ロブ・エマーソン
Def.1R12秒/TKO
マニー・ガンバーリャン

アップセットの秒殺劇。遠い距離から右を振うガンバーリャン。続いて放った左に、エマーソンは右のクロスが合わせる。後方に倒れこんだガンバーリャンが、パウンドをもらわないようエマーソンを両足で跳ね上げ、立ち上がろうとしたその刹那、エマーソンの左がそのアゴを打ち抜いた。

12秒のアップセットで、エマーソンがUFC世界ライト級で戦線布告の狼煙を上げた。


ufc87_09_lesnar_vs_herring_004■第9試合 ヘビー級/5分3R
ブロック・レスナー
Def.3R終了/判定
ヒース・ヒーリング

地元の大歓声を背に、オクタゴンに姿を現したレスナー。セコンドにも元修斗ライトヘビー級王者エリック・パーソンを帯同している。

いきなり飛び込んでニーを狙ったレスナー。これをかわしたヒーリングだったが、続いてレスナーが放った右ストレートを受け、後方に吹っ飛び一回転。飛び込んで何かを狙ったレスラーだが、ヒーリングは組みついて立ち上がる。再び打撃の距離になった両者、レスナーは両足タックルで簡単にテイクダウンを奪う。

一度は立ち上がったレスナーだが、自らグラウンドへ戻りバックコントロール、ボディにパンチを見舞うと、強烈な左のパウンドを顔面に落とす。さらに脇腹に右ヒザを落とし、バックをキープするが、慎重になっているのか、寝技では期待された爆発力を見せるには至らない。ラウンド終盤、背中にパウンドを落としたレスナーは観客のコールにうなずき、ニーを落としてラウンド終了を迎えた。

左目を大きく腫らしたヒーリング、レスナーの最初のテイクダウンはブロック。ややスピードがなくなったレスナー、ヒーリングの投げを潰して、ここでもバックコントロールへ。ロールからサイドマウントを奪ったレスナーは、しっかりとヒーリングを抑え、パウンド。たまらず、背中を見せたヒーリングが、腹ばい、うつ伏せと態勢を変えるが、レスナーにトップをキープされ続ける。

首を抱えたヒーリングに対し、サイドから背中にニーを連打。たまらず背中をキャンバスにつけたヒーリングは、片足タックルでついに立ち上がることに成功する。残り時間1分、脇を差してボディに左ヒザを連打すると、ヒーリングは苦しげな表情を浮かべる。ヒーリングがパンチを放つが、レスラーの突進に自らヒザをついてしまう。

最終ラウンド、笑顔を浮かべたレスナーは右ミドルを放っていく。ヒーリングは組みついて、レスナーをケージに押し込むが、態勢を入れ替えられ、ヒザを受ける。巧にバックを奪ったレスナーはディフェンス一辺倒のヒーリングの脇腹にヒザを落とすが、攻め手が少ない。

ヒーリングはアームロックを狙って反転したところで、レスナーがマウントをとるが、隙間が多くすぐにヒーリングは亀の態勢に。強引なフェースロックを切り返され、ヒーリングに立ち上がることを許したが、直後にテイクダウンに成功したレスナーは、圧倒的に試合を支配し続ける。

前方回転から膝十字を狙ったヒーリング、この試みをいち早く察知したレスナーは残り時間10秒でマウントへ。両者が立ち上がったところでタイムアップ。

観客に勝利をアピールしたレスナーが、3-0で判定勝ちを収めた。試合開始直後の一撃以降、終盤尻つぼみとなり、スタミナもロスしたレスナーだが、MMAキャリアはまだ3戦目。その勝ち方が身に付きつつあることを感じさせた勝利であった。


ufc87_10_st-pierre_vs_fitch_033■第10試合 UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R
【王者】ジョルジュ・サンピエール
Def.5R終了/判定
【挑戦者】ジョン・フィッチ

いきなりテイクダウンに成功したジョルジュ・サンピエール(以下、GSP)。しっかりとクローズドガードに固めるフィッチ。オープンになった瞬間に立ち上がったGSPはパウンドを落としていく。ハーフガードからエルボーを落とすが、USAコールを受けたフィッチはガードに戻し、立ち上がろうとする。ここでも片足タックルでテイクダウンを奪ったGSPは、自ら立ち上がり、フィッチの左ローに右カウンターを合わせてダウンを奪った。

タックルで切り抜けようとしたフィッチだが、GSPは構わずパウンドを連打し追い込んでいく、残り時間2分、ケージにフィッチを追い込んでパウンド。タックルを狙わせては、カウンターでパンチを当てる。

一旦、フィッチを立ち上がらせたGSPは、再びストレートでダウンを奪うと、ガードの中からエルボーを連打。残り時間30秒になって、パスに成功すると細かいパンチをまとめてマウントへ。圧倒的な強さを見せつけ、1Rを終了した。

2R、距離をとったフィッチは、ボディブローを王者に叩き込む。左ジャブでフィッチの前進を止めるGSPは、左ローを織り交ぜながら自分の距離をキープする。再び左ボディを見せるフィッチ。ダメージから回復しつつありそうだが、ここで右ストレートをあごさきに受けてしまう。フィッチが右ストレートからボディをヒットさせると、館内が大いに盛り上がる。GSPのテイクダウンも阻止したフィッチは、左フックを当てて反撃開始。GSPがバックスピンを見せたところで、ラウンドが終了。フィッチがやや挽回したラウンドとなった。

3R序盤に再び、GSPの右クロスがヒット、ダウンを喫した挑戦者からバックマウントを奪う。勝負有りと思われたシーンでも、驚異の回復力を見せるフィッチは、ここでトップを奪うことに成功する。GSPはクローズドガードを取り、細かいパンチを顔面に受ける。と、もぐりスイープからトップを奪い、GSPは立ち上がって強烈なローキックを放った。

左ハイ、右ロー、さらにテイクダウンアテンプトと、フィッチを休ませない王者GSPは、左フックをヒットさせ、さらに打点の高いヒザ、右ハイキック。タックル狙いのフィッチに放ったミドルで、ヒザが顔面を捉える。最後にテイクダウンでラウンドをまとめた王者、フィッチもよく耐えたが、とにかくその強さが際立つラウンドとなった。

4R、倒されても倒されてもスタミナが切れないフィッチは、インターバルの1分でまたも体力を回復。そのフィッチの顔面に右ストレートをヒットさせたGSPは、フィッチのテイクダウンをカットする。再び狙ったテイクダウンで、フィッチはGSPをケージに追い込んだが、ここでも目的を達成できず、反対にテイクダウンを奪われてしまう。最後の最後に足関節を仕掛けたGSP、試合タイムもしっかり把握している完璧なつなぎのラウンドだった。

最終回は、左目を腫らしたフィッチが握手を求め、GSPが応えてスタート。右ストレートのGSP、フィッチは左フックを返していく。バックハンドブローからテイクダウン、王者は引き出しの多さとライト・タイミングを見極める能力を見せつける。インサイドから強烈な左のパウンドを落としたGSP、20分を超えるファイトでも抜群なスタミナも誇り、動き続けている。

自らの意思で、スタンドへ戻ったGSPは、再びテイクダウンを奪うとフィッチをキャンバスに釘付けにする。試合終了の10秒前から、ターゲットセンターの観客が拍手を送った白熱の世界選手権試合は、GSPが再び計り知れない強さを見せつけ、50-43、50-44、50-44で王座防衛に成功した。

「フィッチは凄く強くて、僕を強くしてくれた試合になった。次? 誰とだって戦うよ。用意された相手と戦う」とGSPが発言したところで、BJ・ペンがオクタゴンに登場。

「チャンピオン同士で試合をやろう、戦うか?」とGSPに問うと、「もちろん、僕は王者だ。誰とでも戦う、自分がチャンピオンであることに誇りを持っている」と返答したGSP。世界最強の称号を持つ二人が、どうやら今年の年末に再び拳を合わせることになりそうだ。

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