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【Shark Fights13】スコアリング失敗、マスヴィダルの誤算

2010.09.12

<ウェルター級/5分3R>
ポール・デイリー(英国)
Def.3R終了/判定3-0(30-37、29-28、29-28)
ホルヘ・マスヴィダル(米国)

【写真】7月のImpactFCでダニエル・アカーシオを破ったデイリー。この日はマスヴィダルを下し、実力者相手に2連勝を挙げた。気になるメジャーイベント再出陣は? (C) KEITH MILLS

いきなり思いローを放つデイリーが、続いて左を伸ばす。右へ左へサークリングを見せるマスヴィダルに、ボディを打ち込むデイリーの体格が一回り大きいように映る。飛び込んで右を打ち込んだマスヴィダル、基本は下がりながら前に出てきたデイリーを迎え撃つ。

構わず前に出ていくデイリー、軽い左ミドルから右、返しの左をヒットさせる。ここでシングルレッグを見せたマスヴィダルは、デイリーの指が右目に入ったとアピール。試合は仕切り直しとなる。

左へ回るマスヴィダルを追いかけ、あるいは先回りをして右ロー、左ジャブを見せるデイリーが、左手をマットにつきながら、カポエイラのような蹴りを見せる。と、ここでシングルレッグでテイクダウンを奪ったのは、マスヴィダルだ。フックガードを取るデイリーに、鋭い右エルボーを落とすマスヴィダル。


試合がスタンドへ戻ると、デイリーは逆にダブルレッグを仕掛けるも、これはマスヴィダルがこらえる。ポイントメークに失敗したデイリーだが、打撃の威力は明らかにデイリーのラウンドだった。

2R、左ローを見せるデイリーに対し、マスヴィダルは右ローを返していく。左ジャブから右を伸ばすデイリー、さらに追撃を見せるが、上体を柔軟に揺らしてかわしたマスヴィダルが、再びテイクダウンに成功する。ハーフガードからデイリーが立ち上がるのにまかせ、スタンドに戻ったマスヴィダルは、直後にシングルで再びデイリーに尻もちをつかせる。

立ち上がったデイリーを再びシングルレッグで捉えたマスヴィダルは、この局面ではテイクダウンに固執せず、自ら距離を取る。左フックで距離を詰め、ヒザ蹴りを見せたデイリーだったが、ここでもシングルレッグでテイクダウンを奪われる。クローズドガードから攻め手のないデイリーに対し、マスヴィダルも息を整えるかのような静かな動きに徹し切る。

レフェリーがブレイクを命じたが、2Rの残り時間は僅か10秒、デイリーは持ち味を消されたまま最終回を迎えることとなった。最後の5分、距離をとって左を伸ばすマスヴィダル。初回を自分のラウンドと取っていると判断するかどうか、3Rの戦い方は変わってくるはずだ。

と、すぐにシングルレッグを見せたマスヴィダルは、ここでもテイクダウンを奪うことに成功する。ケージを背に立ち上がろうとするデイリーは、レフェリーにブレイクを目で訴えるなど、自分の戦い方ができない状態で、手詰まり感を露わにする。

ブレイク後、スタンドに戻るもデイリーは思うように攻められない。右、左とパンチを伸ばすが、マスヴィダルはスウェイで避ける。残り1分を切って、マスヴィダルが突如、失速。シングルを切ったデイリーのパウンドが、強烈な勢いとともにマスヴィダルの顔面を襲う。

ここでデイリーは立ち上がり、スタンドでよりインパクトの強い攻撃を見せようと試みる。完全にガス欠状態となったマスヴィダルは、デイリーに脇をすくわれテイクダウンを許すと、残り10秒で再びガードを強いられパウンドを受けながら、タイムアップのホーンを聞きた。

結果、初回にマスヴィダルが見せたテイクダウンよりも、デイリーのパンチのプレッシャーを攻勢としたのか、3-0でデイリーが判定勝ち。不満な表情を浮かべ、レフェリーに抗議をするマスヴィダル。2Rもデイリーのラウンドとしたジャッジの存在に、その不満も理解できるが、ゲームスコアリングを遂行するには、ガスアウトは余分だったことは確かだ。

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