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【UFC117】残り110秒の大逆転劇、アンデウソン防衛成功

■第11試合 UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R
[王者]アンデウソン・シウバ(ブラジル)
Def.5R3分10秒/三角絞め
[暫定王者]チェール・ソネン(米国)

米国人ソネンに大きなブーイングが浴びせられた選手紹介、事前のトラッシュトークで王者アンデウソンはファンの支持を集めていたようだ。

前に出たソネンに左ショートを見せたアンデウソンは、蹴り足を掴み、ダブルレッグを切っていく。ソネンもパンチを見せるが届かず、蹴り足を掴まれると前方に一回転して逃げる。

王者ペースかと思われた試合で、ソネンのパンチがヒットし、アンデウソンの腰が落ちる。直後にテイクダウンを奪ったソネンだが、アンデウソンがリバーサルに成功。試合がスタンドへ戻ると、ソネンのパンチが再び火を噴き、テイクダウンからパウンドを連打する。


UFCで戦うようになって初めてといっていいピンチに、アンデウソンは懸命のガードワークをとるも、バックを許し、パンチを顔面に浴びる。前方に一回転し、再びガードを取ったアンデウソンだが、ソネンは勢いのあるエルボー、さらにパウンドをヒットさせる。続けて、左パウンドを落としたソネンは、再びバックを制すると、アンデウソンも足を入れてガードへ。

残り1分、左右のパウンドを落としたソネンが、サイドへ回り込もうとする。懸命にガードに戻したアンデウソンに待っているのは、強烈なパウンド攻撃。絶体絶命のピンチのなか、アンデウソンは何とか1R終了のホーンを聞く。

2R、アンデウソンは思い切りパンチを打ち込み、ローキックを蹴り込んでいく。しかし、2度目のローをキャッチしたソネンが、テイクダウン。現金なファンたちは大USAコールでソネンを後押しする。ハーフのアンデウソンは、両脇を抱えて距離を与えないでいると、ソネンは両手の平で頭を挟むようにはたき、さらに頭部をマットに圧しつけていく。

フックが外れたアンデウソンに対し、上体を起こしパウンドを落とすソネンはボディから顔面と王者を攻め込む。左腕を掴み、ハイガードを見せたアンデウソンだったが、ソネンのパウンドは止まらない。三角、オモプラッタ狙いのアンデウソンに対し、ならばとエルボーを見舞っていく。

右手をマットにつき、立ち上がろうとしたアンデウソンのバックに回り込んだソネン。アンデウソンはキムラから、ヒールフックを仕掛けるが、ソネンが体重を浴びせてこの局面を回避する。

3R、すぐにソネンの片足を取り、ヒザ蹴りを狙ったアンデウソン。テイクダウンを警戒し、距離をとるが、ソネンはすぐにテイクダウンを奪っていく。キムラ狙いを察知し、バックに回ったソネンが太股の付け根にヒザ蹴りを落とす。さらに顔面を連打するソネンに、アンデウソンは一方的にパンチを受け続ける。前転からガードに戻ったアンデウソンは、スイープ狙いも対処され、厳しい状態が続く。

鉄槌を連打するソネンに、弱気の表情を見せるようになった王者アンデウソン。四の字のクローズドガードと、ディフェンス一辺倒になる王者に、ソネンの攻撃は、効果のほどは置いておいても、とにかく止まらない。間断なく拳が落ちてくると、アンデウソンの注意も散漫となり、ソネンは勢いのあるパンチを落とす。残り30秒、必死にしがみつき、手首を掴むアンデウソンがこの局面も乗りきった。

左目の下を腫らした王者、ソネンも右ほおが赤く染まっている。強烈なローから左をヒットさせたアンデウソンは、ここぞとばかりに攻め込み、左ハイ、右ストレートを打ち込むと、ダメージが残るソネンのテイクダウンを切る。自ら背中をキャンバスにつけたソネンへ、起死回生とばかりにパウンドを落とすアンデウソンだったが、ソネンは腰に腕を回し、トップを奪うことに成功する。

右ヒジ、鉄槌、パウンドを落とすソネンの足首に、アンデウソンはカカトを振り落とす。勢いが戻ったソネンは、右のパウンドを連打すると、これまでのように手数でアンデウソンを圧倒しようと動き続ける。

スイープを仕掛けるアンデウソンに対し、必死に体重を浴びせたソネンは、王者の背中をキャンバスにつけると、再び拳を落とし始める。上体を起こして放たれたパウンドは空を切るが、細かいパンチで、アンデウソンをいたぶるソネン。ガードからエルボーを見せるアンデウソンだが、ポジションを回復できないまま、いよいよ最終回を迎える。

ソネンは左目尻を大きくカットしており、アンデウソンにまだ逆転の目がある最終回。王者は最初のテイクダウンをカットするも、ここでソネンの右が王者の顔面を捉え、ダウンを奪う。

サイドに回って肩固めに出たソネン、エスケープに成功したアンデウソンだが、依然ガードを取った状態にある。ソネンがパスに成功すると、アンデウソンは必死に足を戻し、立ち上がる攻防に持ち込むことができない。

トップをキープするソネン。残り2分、これまでかと思われたアンデウソンが、三角絞めの状態に入る。尻をつけ、両足のロックをルーズにしようとしたソネンだったが、アンデウソンは左腕を抱え、伸ばしに掛かる。ソネンの右手が宙を舞い、たった一度だったが、ハッキリとアンデウソンの太股に触れた。

残り1分50秒の大逆転勝利。アンデウソンは勝利をコールされると、道衣をまとい、脇腹を負傷してドクターに出場を止められていたことを明らかにした。

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