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【EXC】驚きの終幕、ハワイに第二のメイハム誕生か?

2008.06.15

(C) Pro Elite14日(土・現地時間)に行われたEliteXCハワイ大会「Return of the KING」。メインカードの終了後に始まった地元ハワイアン勢の戦いは、リングアナが元ICONスポーツの代表で、現在はEXCのエグゼクティブ・ディレクターに就任したTJ・トンプソンに代わってスタートした。

【写真】ハードパンチャー、オーシロがウォルムスから一本勝ちをあげた (C) Pro Elite

PJ・ディーンとディーン・リスターのライト級の一戦は、ハワイのMMA大会らしく荒い打撃戦となり、殴られたら、殴り返す両者。PJの遠い間合いからのパンチとローが目立っていた1Rが終了。2Rも打ち合いが続く中、エルボーを空振りしてバランスを失ったPJからリスタがテイクダウンを奪う。一度は下になるが、見事なスイープの仕掛から、バックマウント奪ったリスタがチョークでPJを攻める。中腰になり自らの頭を叩きつけけるようにエスケープに成功したPJは、ラウンドを失い最終ラウンドへ。


3R、スタンドでも勢いがついたリスタ。スーパーマンパンチからローを連続で蹴り込む。たまらず組みつくPJだが、すぐにブレイクになり、ヒザ蹴りが急所に入り1P減点に。結局、この減点が響き0-1(一人がリスタにつけた)のドローに終わった。

続いて行われたマイク・アイナとカレオ・クァンのハードパンチャー・ライト級対決。BJ・ペンの愛弟子アイナは、ニカラグア移民。ニック・ディアズをKO寸前まで追い込んだパンチ力には定評がある。一方のクァンもアイアンの異名を持つ、拳に自信を持った男だ。

勢いのいい右ロー、左ハイ、さらに右ローを繰り出すアイナ。続いて左ローで、クァンの前進を止める。右ローから左ジャブを見せるクァンだが、やや距離があり、自分の間合いで戦えない。パンチのフェイントからテイクダウンに成功したアイナは、クァンのバタフライガードから腕を引き抜き、ハーフガードへ。アイナは首を固め、パスのプレッシャーをかけ続ける。左パウンド、左エルボーで攻められたクァンは、アイナの体にしがみついて時間が過ぎるのを持った。

2R、クァンのローに合わせテイクダウンを狙ったアイナは、ケージに詰めて両足タックルで豪快なスラム。再びハーフガードからパウンドを中心に攻めるが、なかなかパスすることができない。クァンはハイガードから両足でアイナのボディを蹴りあげ、距離を作って立ち上がる。が、返す刀のタックルで再びテイクダウンを許していまう。片足タックルを狙いながら、立ち上がったクァンに対し、ギロチンを見せたアイナ、首を抜いたクァンが右フックとミドルを見せたが、決定的なシーンがのないままこのラウンドも終了した。

最終R、中央に立ちプレッシャーを掛けるクァン。アイナは右フックから片足タックルへ。執拗にテイクダウンを狙うアイナだが、クァンはケージを背に耐える。リング中央でアイナのタックルを切ったクァンが、パンチでアイナを押しこむ。明らかにスタミナが切れた相手に、クァンの左ストレート、右バックブローがヒットする。

拳を振るう度に姿勢が乱れるアイナは、ガードもままならないまま最後の1分間へ。クァンのアッパーがヒット、最後の力を振り絞りテイクダウンを狙ったアイナの首をコントロールしたクァンが、パウンドの連打。ガードポジションを取るアイナは、何とか試合終了まで逃げ切ったが――。

ジャッジの判定は、三者とも29-28でマイク・アイナを支持。マイク・アイナが1、2Rのポイントを守りぬいた形で判定勝ちを手にした。

また、19歳のBJ・ペンの教え子ウィルムス。対するはメインカードのスター選手よりも大きな声援を集めるICONスポーツのフェザー級王者マーク・オーシロの一戦では、サウスポーから左ローを放ったオーシロ、何とこの最初の攻撃が急所に入ってしまい、いきなり試合が中断してしまう。

再開後、パンチの連打からミドルを見せたオーシロから、ウォルムスはテイクダウンに成功するも、バタフライガードから立ち上がろうとするオーシロを叩きつけるウィルムス。オーシロは足を利かせて、そのまま三角絞めへ。スラムをされても絞め続けたオーシロは、ここでタップを奪い一本勝ち。ハードパンチャーが1R2分12秒、意外な形で勝利を手にした。

最終試合は、オーシロ同様ロコから絶対的な支持を誇るカラ・コロヘ、ICONスポーツ世界ミドル級王者が登場した。対戦相手はブーバ・マクダニエル、大会の締めはハワイアンがメインランドの白人ファイターと対戦するという、ハワイのファンにとってこれ以上ないマッチアップだ。

サウスポーのマクダニエルが左ハイから、テイクダウンを狙う。これをディフェンスしたコロヘだったが、バタフライガードを取ったマクダニエルがバックへ回りこみ、バックマウントを奪取。そのままチョークを仕掛けると、地元のヒーローはここでタップアウト。思いもしない41秒の終幕に、観客席は静まり返ってしまった。

アンダードッグ=マクダニエルがノンタイトルで王者を破り、世界挑戦をほぼ手中に収めたはいいが、「ICONタイトル?それはハワイのタイトルだから」と、ハワイアンの胸中を顧みない発言。かつて、地元のヒーロー=イーゲン井上、ファラニコ・ヴィターレを下したジェイソン・メイハム・ミラー2世がハワイのリングに誕生した。

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