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【Strikeforce】カン・リー、リベンジをかけスミス戦へ

Le5月26日(土・現地時間)、サンノゼhpパビリオンで開催されるSTRIKEFORCE/M-1 Global共同開催「FEDOR vs WERDUM」。世界が注目する皇帝の2010年初めてのファイトをメインに、女子最強クリス・サイボーグが二度目のストライクフォース女子世界ミドル級防衛戦が行なわれる同大会で、地元サンノゼのファンにとっては最も大切なファイターがケージに戻ってくる。

【写真】ライトスパーとはいうものの、緊張感の高い鍔迫り合いが見られた郷野聡寛とのスパー (C) MMAPLANET

昨年12月に21カ月ぶりのファイトで、スコット・スミスに逆転TKO負けを喫したカン・リーが、半年振りの試合でリベンジに挑む。チャイニーズ・ボクシング=散打をベースとしたユニークかつエキサイティングな打撃戦の持ち主は、試合3週間前に日本から武者修行に訪れた郷野聡寛と熱いスパーを展開したのち、インタビューに応えてくれた。

――散打MMAトレーニングに、カリフォルニアでMMAジム巡りをしている日本勢3人を快く迎え入れ、日本ではほとんど見ることができない散打の打ち込みなど、珍しいトレーニングを拝見させてもらいました。

「彼ら3人が僕のところにきてくれて、凄く嬉しかった。一緒に汗が流せて非常に楽しかった。彼らも楽しんでくれたかい?」

――もちろんです。ただ、最初は軽いトレーニングだからと言っていたのですが、郷野聡寛選手とスパーを始めると、徐々に二人とも熱くなっていき、少し心配になりました。


Le and Gono【写真】カン・リーによる散打MMAクラスの締めは、ブルース・リーばりの「再見(チァイツェン)」。突然の締めに、郷野は対応できず…… (C) MMAPLANET

「ハハハ、確かに思ったよりハードにやりやったね(笑)。でも、ライトスパーリングだよ。パンチは入れていないからね。スコット・スミスとの再戦を前に、UFCファイターだったゴーノとしっかりとしたスパーができて良かったよ」

――そのスミス戦は3週間後<※両者がスパーをしたのは9日(水・現地時間)>に迫っています。

「ヒョードル×ベルドゥムがメインで、その前に戦うことになっている。体調は凄く良いよ。もう午前中に1度目の練習をして、ゴーノがきてくれたのは2回目トレーニング。このあと、ボクシングのミットが待っている。残り3週間、体調は問題なく順調に仕上がっているよ」

――12月の対戦では、スコットに逆転TKO負けを喫しています。そして、半年後の再戦への意気込みを聞かせてください。

「スコットはとてもタフなファイターで、僕にとってはチャレンジだった。2Rと半分は試合を支配していたけど、同時にスタミナをロスしてしまって。コーナーのハビエル・メンデス(AKA代表)からは、『もうポイントメーキングをすればいい』という指示があったけど、エキサイティングなフィニッシュにしたかったら、大きな投げやKOを狙って攻め続けた。

結果、パンチを貰って逆に試合を決められてしまった。まぁ、MMAということだよ。あの敗戦から、次の試合がスコットと戦えるというのは僕にとっては都合が良い」

――復帰戦で他に誰かと戦うという選択はなかったのですか。

「別に対戦相手は誰でも構わなかった。ただ、プロの試合で初めて黒星をつけられた相手と再戦できるんだから、燃えてくるよ。ずっと、勝っている試合だったのに――って考えてしまうし、そういう思いを払拭したい」

――前回の試合は撮影の合間を縫って練習しているという印象が強かったのですが。

「あの時の体調は、OK――というレベルだった。21カ月もの間、実戦から離れ、3本の映画撮影を続けていた状態では、体調を維持するトレーニングで手いっぱいで、戦うコンディションとしては、万全ではなかった。

自分で蹴りをヒットさせ、その攻撃で自ら痛みを感じるようじゃね。骨の状態が、常にスパーリングをして、人と戦うことを前提に練習している時と、そうでない時の違いが出た。映画で人を本気で殴るわけにはいかないからね。7週間では、十分に体調に戻っていなかったようだ。

今回は違うよ。全ての映画撮影を断って、この試合に臨んでいる。前の試合で鼻を骨折したので、ギブスが取れてからはスパーリング、グラップリング、レスリング、心肺機能系のトレーングをこなしてきたから、今回は万全を期している」

――この試合を終えれば、また映画の仕事に戻るのですか。

「もちろん。母国ヴェトナムが関係しているビッグプロジェクトが控えているからね。どんなファイターでも、ムービーワールドから声が掛けられると、そっちの方面にも進みたいと思うに違いないよ。既にファイターとして、キャリアは積み重ねてきたわけだし、僕もその例に違わないということさ。ただ、今はとにかく次の試合に集中している」

――カン・リーの雄姿を実戦の場で見られる機会は、もう限られてきそうですね。

「僕はもう38歳だ。1994年からアマチュアとして、98年からはプロとして、K-1などの舞台で戦い続けてきた。そして今、MMAを戦っている。ファイターはいつまでも戦い続けることはできない。もう、現役を退いた後のことを考える年になっている。あと何試合戦うか、自分でも分かっていないけど、ファイナル・カウントダウンは始まっているよ。そして、1試合、1試合、全てを捧げて戦うつもりだ。12月のスコット・スミス戦では、そんな状況になっていなかった。今回は違うよ」

――100パーセントのカン・リーが戻ってくるということですね?

「絶対に勝たなければならないとか、余り自分にプレッシャーを掛けるのは好きじゃないけど、自分に可能な動きのなかで、最上の動きができるように戦い勝利を掴みたい」


■Strikeforce/M-1 Global Fedor vs Werdum 主要対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)
ファブリシオ・ベルドゥム(ブラジル)

<女子ミドル級/5分5R>
クリスチャン・サイボーグ(ブラジル)
ジェン・フィンイー(米国)

<ミドル級/5分3R>
カン・リー(米国)
スコット・スミス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョシュ・トムソン(米国)
パット・ヒーリー(米国)

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