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【TUF11】第8週 ダナも舌を巻くダークホースとは?

2010.06.14

ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン11。第8週となる今週より、チーム対抗戦を終え、勝ち上がり+敗者復活した8名による準々決勝が始まろうとしていた。

【写真】リングのリタイアにより復活したハモーティを相手に、アッサリ一本を奪ったマクギーは、シーズン11のベスト4進出一番乗りを決めた (C) ZUFFA

まず行われたのは、ワイルドカード決定戦として敗者復活を果たしたケイシー・ウスコラ×クリス・マクレイ戦から。試合前日、息子が生まれたという連絡が入ったウスコラは、「息子に捧げる試合だ」と意気込み、「責任も生まれた。もう負けるわけにはいかないよ。俺は勝つためにここにいるんだ」と決意を新たに必勝を誓う。


一方、マクレイもまた「リセットボタンを押して、もう怖いものなしの状況だ。お互いそうなんだから、よい試合になりそうだ」と語ったが、両者共にチーム・ティトのファイターになるため、「俺は観客席に座るよ。もう口出しはしない」と、コーチのティトは一歩下がって試合を見守ることになった。

腕の負傷で途中リタイアしたアトニートに、反則行為で敗れているウスコラ。そして、クレバーン・ウォーカーの肩を脱臼させた鋭い投げを見せているクリス・マクレイ(マクレイは、カイル・ノークに敗れているが、この試合では、肩の痛みをおしての出場だった)。そんな両者による一戦は、オーソドックスで向かい合うと、マクレイが左のインローを見せ、ウスコラは左フックから右を叩き込んだ。

互いにロー、ワンツーを見せると、ウスコラの逆関節蹴りのような前蹴りがマクレイの前足を捉え、思わず声を挙げたマクレイ。痛みをごまかすように組み付いてテイクダウンを狙っていく。

ケージに押し込み、ウスコラの大腿部にヒザ蹴りを放つマクレイ。その一発がウスコラの急所に入ると一時中断。再開後、払い腰から投げを出したウスコラに対し、踏ん張ってスタンドに戻したマクレイがショートアッパーを連打、ダブルレッグから抱え上げると、テイクダウンに成功し、バックからチョークをうかがった。

2R、パンチから一気に距離を詰めていったウスコラは、マクレイをケージに押し込みエルボーを放つも、組み付いたマクレイはウスコラを後方へと投げ捨て、サイドからV1アームロックを極めるとウスコラからタップを奪って完勝した。

「複雑な心境ではあるが、まずはクリスにおめでとうといいたい」とコメントしたティト。マクレイは「落ち着いて試合ができた。まだまだ俺は成長中だ」とトーナメント復活を喜ぶも、敗れたウスコラは「正直色々なことを考えてしまった」と肩を落とした。

二人の試合後、別室では、ダナがティトとリデルを迎えて、トーナメントの対戦カードを相談する。明言を避けるリデルだが、ここでティトは、第6週において不可解な判定にリデルも激怒したリングとマクギーの再戦を提案。「ニック・リングとコート・マクギーをやらしてやれよ。判定に託すな、判定が不満というなら、ここでチャンスを与えればいいじゃないか。何が問題なんだ」と熱く語った。

そして、ファイターが集められると、ダナより準々決勝の対戦カードが発表される。

ニック・リング × コート・マクギー
クリス・マクレイ × カイル・ノーク
セズ・マシンスキー × ブラッド・タバレス
ジェイミー・イェイガー × ジョシュ・ブライアント
※左側がチーム・ティト、右側がチーム・リデル

UFCハウスに戻ると、ファイターはしばしのリラックスモードに。そこへフォレスト・グリフィンが「UFC 2010 Undisputed」を手に登場し、ゲーム大会が始まった。UFCの選手が登場する同ゲームを楽しみ、大はしゃぎのファイター達。ティト対グリフィンの対決では、ティトが勝利をする一幕もありながら、ファイターにとっては束の間の休息となったようだ。

そんな折、ヒザの痛みに悩まされるリングは、MRI検査を受け、3度目の前十字靱帯手術が必要だと診断された。ドクターストップこそ掛からなかったものの、決断を迫られるリングは、「無理して1、2試合やって、後のことは考えないか、すぐにヒザを治して一日でも長く生きるか。簡単な決断ではないよ」と語る。

そこに、ダナがやってくると、会談を持った両者、リングは「今は試合に勝てる気がしない。辞めるのは本当につらいが、それが正しい決断だと思っている」という意思表示を行い、トーナメントからの撤退を決めた。

すぐさま、ダナはリビングにファイターを集め、「ニックがアウトになった。誰が復活するかはコーチと決める」と発表すると、「怪我人だらけで残りは少ない。俺の番だ」と復活に自信を見せたのはヘンリだったが、ハウスを出たダナを追いかけたハモーティは「俺は骨折していない。やらせてくれ」とアピール、ダナはハモーティの復活を決めたのだった。

リングに代わり、ハモーティがマクギーと対戦することになった準々決勝。千載一遇のチャンスを逃したヘンリは苛立ちを隠せず、ダナに駆け寄ったが、「じゃあ、次はお前の番だ」とダナに軽くあしらわれてしまう。

いざ、始まったマクギーとハモーティの一戦は、オーソドックスの構えで向かい合うと、身長とリーチで上回るハモーティがワンツーで先制。マクギーのテイクダウン・アテンプトも冷静に対処する。

だが、ジャブからロー、左ハイと徐々に前に出るマクギー。ハモーティのローをキャッチするとパンチを放って一気に組み付く。すると、ハモーティの動きに合わせてシングルレッグでテイクダウン。バックを奪ってパウンドを落としていった。

すぐにスタンドに戻ったハモーティだったが、マクギーは鋭い左右のフックを見せると、組み付いてきたハモーティをいなすようにテイクダウン。再びスタンドに戻ると、胴タックルでケージに押し込んでいく。マクギーが蹴りを空振りしたところで、バックを奪ったハモーティ。後方へ投げ捨てるもマクギーはすぐさまシングルから上を取り返したところで1Rが終了した。

2R、積極的に手を出す両者だったが、ハモーティが不用意にダブルレッグでマクギーの足を取りにいったところで、マクギーは腰を落として踏ん張り、スタンドのギロチンへ。これがガッチリと極まり、ハモーティはあえなくタップ、マクギーの一本勝ちとなった。

「ティトからは、積極的にポイントを奪いにいけといわれた。ただ自分でチョークに向かっていくなんて、下らないルーキーミスをしてしまった」と悔しさを滲ませるハモーティに対し、マクレイは「相手よりテクニックで上回っていたと思う。ずっと危険な道だけは避けて、チャンスを狙っていた。うまくいったよ」と冷静に振り返った。

この試合を見ていたダナも、「コートは見るたびによくなっている。パンチ、KOパワー、レスリング、さらにサブミッションもできる。今シーズンのダークホースかもしれないな」と舌を巻いた。

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