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【UFC84】UFCを狙うブラジル勢の猛威

 (C) ZUFFA11試合、出場選手22人中、米国人ファイターは半数以下の9名のみ。これが、5月24日(土・現地時間)に行われるUFC84『ILL WILL』だ『Count Down to UFC84』最終回はメインや日本人選手以外の国際色豊かなラインナップから注目カードをお届けしたい。

【写真】変則的な打撃で、カウンターやローキックを得意とするキース・ジャーディン。シウバにとって厳しい戦いになることは明らかだ (C) ZUFFA

出場選手は、米国が9名、ブラジルが6名、日本&英国がそれぞれ2名、さらにクロアチア、カメルーン、韓国が一人ずつというランナップとなったUFC84。PPV中継枠でみても、米国人の4名はブラジル人ファイターの5名を下回る(うち2名が米国在住で、一人はフランス在住のブラジル人)。米国人対決は、メインのBJ・ペン×ショーン・シャークと、オープニングファイトのヘビー級戦という2試合のみ。対して、米国人が絡まない国際戦が4試合も組まれている。


母国大好き、アメリカンの観衆が、この状況にどのようなリアクションをみせるのか。PPV枠以外の会場の雰囲気はどうなのか、そんな点にも注目は集まるが、この国際化こそ現在のUFCを象徴している状況といえるだろう。

TV中継が終了し、1年以上が経過した日本人ファイター=中村和裕&吉田善行の参加は、これまで15年以上にも渡る日本の総合格闘技界の貯金の賜物。だが、対する英国は、赤字覚悟の投資を行っている重要なビジネス拠点であり、今後は日本人と英国人ファイターが出場する確立は大いに違ってくる可能性もある。

一方、ブラジル人ファイターの多さは、これはもうブラジル人の強さが反映されているということに尽きるのだが、同時にブラジル人選手が米国や他国へ進出しており、航空運賃やビザ取得に関して、よりクリアな状況が整っていることの表れでもある。

ブラジル人ファイターは、日本と違い、母国のMMAマーケットの脆弱さにより、ブラジルでの活動に関してある意味、見切りをつけている。そして、米国での成功がその道での成功と心得ており、今後も米国に重きをおいたブラジル人ファイターの数は、増える一方だと予想される。

そんなブラジル人ファイターの道標となるべく、日本で活躍し、今やUFCに在籍するようになったヴァンダレイ・シウバ。敗れはしたものの、昨年末に行われたチャック・リデルとの魂の一戦は、いまだ記憶に新しい。と同時に、ボクシング技術とレスリング能力が発達した米国MMAで、ヴァンダレイが成功を収めるのは、容易くないことも実証された。

対戦相手のキース・ジャーディンは、チャック・リデルを破っているファイター。変則的な打撃の持ち主で、カウンターやローキックに長けている。オクタゴンへの慣れ、ミドル級への転向も選択肢に違いないヴァンダレイの現在の力を測るのには、適した対戦相手だといえるだろう。

ヴァンダレイとは対照的に、右肩上がりで評価を上げるのは、ブラジル人ファイター=リョート・マチダ。彼もまた伝統派空手の出身だが、実戦での強みはテイクダウンの強さとポジショニングという組み技の部分でもある。

ティト・オーティズというビッグネームを相手にも、試合予想は有利と思われるが、ズッファ首脳批判を繰り返し、UFC離脱が秒読み状態となったティトも、このまま名前を下げた状態でUFCを去るより、勝って自らの売値を上げ、噂される他団体との交渉の席につきたいところ。そんなティトの想いが、実力者を相手に戦う際に“心が折れる”歯止めとなるか。

リョートやヴァンダレイのような話題に上らないが、ひそかにライトヘビー級の次期主役と目されているブラジル人ファイターがいる。それが、アメリカン・トップチーム所属のウィルソン・ゴヘイアだ。UFCデビュー戦こそ、キース・ジャーディンに判定で敗れたが、その後は4連勝中で3つの一本勝ちと1つのTKO勝ちという結果を残している。

誰もが認める才能の持ち主は、ハードに自分を追い込むことなく、試合を途中で投げるという悪癖があったが、最近では心を入れ変え、UFCでの成功に人生を懸けるようになったと、練習仲間も証言する。

立っては、アウトボックスが冴え、組みついてきた相手をギロチンで切って落とすスタイルは、これも現在のMMAのトレンドだ。一部では白いノゲイラといわれるゴヘイア、群雄割拠のライトヘビー級でいかにアピールできる勝利を挙げるのか、相手は、実力未知数のゴラン・レジックだが、豪快な勝利が望まれる。

ブラジル国内ミドル級最強の男、ホウジマール・トキーニョのデビュー戦もまた注目だ。指が一本引っ掛かればテイクダウンできるという、組み技の強さ。一撃必殺のヒールホールドでドメスティック最強の称号を得たトキーニョ。UFCデビュー戦は、アイヴァン・サラベリーという立って良し、寝て良しのトータルファイターが相手だけに、この査定試合をクリアし、選手層が厚くなりつつあるミドル級をひっかきまわす存在になってほしいところだ。

ノーPPVマッチも含め、中堅プロモーションや欧州、日本、南米のメインイベンターばかりが揃ったUFC84。濃密な大会となることは間違いない。

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