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【DEEP JEWELS33】アトム級GP、まずはパク・シウと準決勝。大島沙緒里─01─「熊鈴をつけて小学校」

【写真】威風堂々、ミクロ級チャンピオン(C)MMAPLANET

20日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS33のアトム級GP決勝トーナメントに出場、準決勝でパク・シウと再戦を行う現ミクロ級王者の大島沙緒里。
Text by Shojiro Kameike

幼少期から柔道を始め、結婚・出産を経て修斗でプロデビューしている大島。その格闘技人生には、常に相手との体格差の問題がつきまとっていたという。

そんな体格差をいかに克服してきたのか。プロデビューまでの格闘技人生を語ってくれた。


――DEEP JEWELSアトム級トーナメント、準決勝に挑む大島佐緒里選手です。試合のプロモーション映像でもありましたが、大島選手は双子のお子さんがいるのですね。

「はい。ずっと柔道をやっていたんですけど、結婚して子供が生まれてから柔道を離れました。主人も柔道をやっているので、主人の柔道を支えたいと思って」

――そこからAACCに入ってMMAを始めるのは、どのような経緯があったのでしょうか。

「本野(美樹=DEEP JEWELSストロー級王者)と同じ大学の柔道部にいて、本野からAACCを紹介されて入ったんです」

――本野選手とは大学時代からチームメイトだったのですか。

「双子の子供が生まれて、外に出るのも大変だったから、出産後もずっと家の中にいたんです。でも、それまでずっと運動してきた人生だったので、そんな生活もつらくなってきて」

――なるほど。

「AACCに入っても、主人や子供のこともあるし、プロでやっていくのは難しいと思っていました。でも通っているうちに、試合に出たくなったんです」

――柔道時代から、MMAは見ていたのですか。

「ほとんど見ていなかったですね。誰かが見ていると、それを横から覗いたりとかするぐらいで。でも浜崎朱加さんと、AACCでMMAの練習しているRENAさんのことは知っていました」

――もともと柔道を始めたのは、何歳ごろですか。

「柔道は3歳から、社会人1年目までですね。親が柔道場を開いていて、兄弟みんな柔道をしていました」

――物心ついた頃には、もう柔道をやっていたわけですね。

「私の場合は、柔道の試合の見に行った時、父親に『柔道やるか?』と聞かれて『やる』と答えた覚えはあります。それで気づいたら柔道をやっていました」

――幼少期に見た柔道の魅力とは、何だったのでしょうか。

「新しいものを目にして、興味を持ったんだと思います(笑)」

――大島選手も柔道をやりたいといって、親御さんも喜んだでしょう。

「そうですね。ただ、私も最初の頃は楽しく柔道をやっていたんですけど、大きくなってきたら、どんどん厳しくなってきて。上の兄弟にも、すごく厳しかったですから」

――最初に試合に出た時のことは覚えていますか。

「最初の試合は小学校の低学年、2年生ぐらいだと思います。でも小さい大会が多かったので、あまり覚えていないんですね。ただ、兄弟の中では私が一番勝てていなかったです。試合に出ても、すぐに負けていました」

――そこから、中学校では柔道部へ?

「はい。学校に通うために、家を出て下宿していました」

――えっ、中学校から下宿生活だったのですか。

「そうなんです。私の実家は、島根県の山の中にあって……。信号もなく、イノシシとか出てくるような山の中で、ランドセルに熊鈴をつけて小学校に行っていました(笑)」

――熊鈴! なかなか見ないものですね。

「それぐらい、ホントに山の中だったんです。それで、県内で一番柔道が強い中学校に行くためには、下宿しないといけなくて。兄弟みんな、中学から下宿や寮生活を送っていました」

――お子さんが全員、家を出てしまったら親御さんも寂しかったのではないでしょうか。

「寂しかったと思います。子供が一人出ていくたびに、実家に新しい犬が増えていったので(笑)」

――それは本当に寂しかったのですね……。大島選手は中学時代から全国大会に出場していたのですか。

「全中(全国中学校体育大会)は2年生から出場して、初めての全中は2位でした。たまたま、ちょっと調子が良かったんです(笑)。でも当時は体重が足りなかったんですよ。一番下の階級が44キロ級で、私は36キロしかなくて。相手は44キロまで減量してきていましたから」

――そこから体重を増やしたのですか。

「高校の時にケガをして増えました。高3の時に肩を脱臼して、そこから10キロ増えて、今もそのままです。そして高校を卒業して、大学から社会人まで柔道をやっていました」

――それだけ柔道を続けていて、いざ柔道から離れることになった時は……。

「結婚や出産もあったし、それと自分の中で、年齢を重ねて柔道で落ちているのは感じていました。そのまま中途半端に続けるのは嫌だったんです。やっぱり柔道が好きだったので。もちろん落ちているのは年齢や環境のせいだけではないんですけど、ただ自分が目指すところへ行けるのかどうかと考えたら、難しいのかなって」

――しかし、MMAを始めた。

「同じ柔道部だった本野や、柔道をやっている主人が、今も勝負の世界にいるのが純粋にうらやましくなったんです。それと、AACCは周りの人たちがみんなプロで試合をしているから、自分もその世界を目指したくなったところはありますね」

――結果、AACCに入ってから3カ月後に、試合に出ることになりました。

「2019年に関東選手権で優勝して、そのあと全日本選手権でもアトム級トーナメントで愁傷してプロライセンスを頂くことができました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月20日(日・日本時間)
午前11時30分~PPV SPWN

■DEEP JEWELS33対戦カード

<DEEP JEWELSアトム級GP決勝/5分2R>
TBD
TBD

<DEEP JEWELSフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 本野美樹(日本)
[挑戦者] 伊澤星花(日本)

<フライ級/5分2R>
奈部ゆかり(日本)
ARAMI(日本)

<ストロー級/5分2R>
藤田翔子(日本)
HIME(日本)

<51キロ契約/5分2R>
音波(日本)
竹林エル(日本)

<ライト級/5分2R>
ひしぬまjujcyさやか(日本)
ぽちゃんZ(日本)

<DEEP JEWELSアトム級GP準決勝/5分2R>
青野ひかる(日本)
にっせー(日本)

<DEEP JEWELSアトム級GP準決勝/5分2R>
パク・シウ(日本)
大島沙緒里(日本)

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