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【UFC110】ミドル級のヴァンダレイ、ビスピンに涙の勝利

【写真】ミドル級に階級を下げたヴァンダレイ・シウバが涙の勝利。試合後は、復活した名参謀=ハファエル・コルデイロの名を挙げた (C) ZUFFA

■第8試合 ミドル級/5分3R
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)
Def.3R終了/判定
マイケル・ビスピン(英国)

割れんばかりの豪州のファンの声援を背にオクタゴンに上がったヴァンダレイは、ビスピンの左に左を返していく。ビスピンは異様な雰囲気に押しつぶされることなく、ハイキック、ローキックを仕掛け、パンチのフェイントからテイクダウンを奪う。

立ち上がったヴァンダレイに首相撲からヒザを狙いつつ、距離を取ったビスピン。ミドルを受けて、左を繰り出すヴァンダレイは静かに待ちの間合いをキープする。再びテイクダウンを奪ったビスピンは、ヴァンダレイが立ち上がるところに蹴りを見舞っていく。


倒しても、寝技に固執せず、ヴァンダレイが立ち上がるのに任せるピスピン、スタミナを削る作戦なのは明らかだ。左ボディから右を伸ばしたヴァンダレイに、ビスピンも負けじとロー&ハイを放っていく。ローを2発連続でヒットさせたヴァンダレイが、ついにラッシュを見せる。しかし、直後に右をヒットさせたのはビスピン、開き気味のヴァンダレイの右をかわしていく。残り10秒、ビスピンのダブルレッグを切ったヴァンダレイがラッシュを掛けたところで1Rが終了した。

2R、ローからパンチを振るうヴァンダレイ。そのローでビスピンがバランスを崩す。足払いのような形でトップを奪ったヴァンダレイが、パウンドを落とす。腕十字を仕掛けたビスピンだが、ヴァンダレイは冷静に腕を引き抜き、立ち上がり際にボディに蹴りを見舞うなど冷静さが目立つ、

振りの大きなヴァンダレイの右に、1Rのように前に出ることができないビスピンだったが、ダブルレッグから豪快なテイクダウンを奪う。残り2分、すぐに立ち上がったヴァンダレイにビスピンが左ジャブを見舞っていく。左ロー2発から左ハイ、さらに左ローと揺さぶりを掛けるヴァンダレイは、ラッシュを見せるが、ラウンド終了間際にビスピンが再びテイクダウンを奪う。ここでギロチンを見せたヴァンダレイ、かなりタイトに極まっていたが、ビスピンはタイムに救われた。

最終回、ローとハイのコンビネーションを繰り返し見せるヴァンダレイ。左を伸ばすが、クリーンヒットはしない。相打ちにも前に出るのはヴァンダレイ。ビスピンのローが急所に当たり、試合が一時ストップする。ビスピンは強烈な右ミドルを見せるが、ヴァンダレイもローを返していく。ヴァンダレイの振りの大きな右フックはビスピンがブロックする。

「シウバ」コールの豪州の観客、ビスピンは右ミドルからテイクダウンを狙うが、組みつくこともできずに距離を取る。直後にヒザを狙ったビスピンの指が、眼に入ったと試合をとめたヴァンダレイ。再開後、前に出て右フックを見舞うがクリーンヒットはない。

ヴァンダレイがラッシュを掛け、観客の声援が大きくなるが、精度は低く空振りが続く。ビスピンのミドルをキャッチし、足払いを決めたヴァンダレイ。一進一退の攻防が続き、試合タイムは残り10秒。ここで最後のラッシュを仕掛けたヴァンダレイ、ついに彼の右が首筋を捉え、ピスピンが腹這いにダウンする。蹴り上げを狙いそうになったヴァンダレイだが踏みとどまり、ここで試合終了となった。

ジャッジは三者とも29-28でヴァンダレイを支持。涙を見せたヴァンダレイは「皆、悪い時ってあるんだ。神を信じて練習を続けた。ハファエルは素晴らしいコーチで、欠かせない存在だ」と語った。一方、敗者ビスピンは「ヴァンダレイの試合を見て、このスポーツを続けてきた。応援してくれたファン、イングランドのみんなに謝りたい。そして、ヴァンダレイにはおめでとうと言いたい」と言葉を残した。

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