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【UFN20】UFCミドル級無敗対決はシンプソンに軍配

2010.01.12

(C) ZUFFA■第9試合 ミドル級/5分3R
アーロン・シンプソン(米国)
Def.3R終了/判定
トム・ローラー(米国)

【写真】昨年8月のエド・ハーマン戦では、ヒザの負傷により棚ボタ式に勝利を手に入れた感のあるシンプソンだが、この日はシーソーゲームを制し堂々の勝ち名乗り (C) ZUFFA

UFC デビュー後、ともに2連勝を飾るシンプソンとローラーの一戦。サウスポーのローラーが、右を餌に左を思い切り振るい、そのまま組みついていくが、シンプソンは頭をプッシュしてテイクダウンを逃れる。直後、同じようなリズムで、飛び込んだローラーのパンチがシンプソンを捉え、左右のフックから再び組みついた。

テイクダウンには至らないローラーだが、ケージ際で振るうフック、距離を取ってから放つストレート、荒く見えるパンチでシンプソンを追い込んでいく。呼吸を整えるためか、ラッシュをやめ、距離を取り直したローラーは、シンプソンの右ミドルにパンチを合わせる。


さらにシンプソンのローに左ストレートを合わせたローラー。足を使うシンプソンに対し、常に回り込み、正面からパンチを打ち込み、シンプソンの攻撃にはサークリングを描いて距離を取りながら戦い、1Rを終える。

前に出るシンプソンに、足を使ってかわすローラー。1Rと逆のような展開が続くが、距離が縮まったときにローラーが打ち勝つという試合展開は変わらない。シンプソンが組みついてローラーをケージに押し込み、ダブルからシングルレッグを見せる。ローラー得意のギロチンを防ぎながら、ここでテイクダウンに成功すると、シンプソンはサイドから立ち上がろうとしたローラーのバックを制する。

立ち上がってすぐに胸を合わせたローラーは、距離をとったシンプソンに右フックをヒットさせ、ダブルレッグでテイクダウン。シンプソンはすぐに立ち上がるが、ローラーは右エルボーを放つなど攻勢を続けた。

最終ラウンド、右を放ちながら飛び込んだシンプソンだが、ローラーはパンチで迎え撃つ。ミドルをヒットさせたシンプソンに対し、ローラーの動きは一瞬鈍くなるが、すぐに足を使って息を整える。抜群のタイミングで同タックルを仕掛けたシンプソンだが、ローラーはケージを利用しディフェンスすると、距離を取り、右フックを見舞っていく。

組みついて首相撲からヒザ、さらにワキを差したシンプソンは、ローラーをケージに追い込んでシングルレッグでテイクダウンを奪う。立ち上がったローラーは、目には目を歯には歯をとばかりに豪快にダブルレッグでシンプソンをキャンバスに這わせる。

だが、スクランブルからトップを奪ったのはシンプソンだった。マウント狙いからバックを制そうとするが、ローラーも向き合いシングルレッグで耐える。そのローラーの体を飛び越える様に、バックを奪ったシンプソンはついにバックグラブを奪取。しかし、タイトに足をフックできず、ローラーにシングルレッグの態勢に戻されてしまう。

ガス欠で動きが重いローラーは、ヒザをついてシングルレッグを仕掛け続けるが、またもシンプソンにバックを許す。ポジションを圧倒するが、絶対的なシーンを作ることができないシンプソンは、ここで距離を取り打撃戦を選択する。そのまま打撃戦のなか、試合は終了した。

初回は文句なしにローラー、3Rは圧倒的にシンプソン、微妙な2R、そして微差と大差の違いがどのようにスコアリングに表れるか――。結果、29-28、28-29、29-28でシンプソンが逆転勝ちを収めた。

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