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【UFC108】チアゴ破りランペイジ戦へ、ラシャド・エヴァンス

Evans■第10試合 ライトヘビー級/5分3R
ラシャド・エヴァンス(米国)
Def.3R終了/判定
チアゴ・シウバ(ブラジル)

【写真】打撃でチアゴ・シウバの上体を反らせ、そのままダブルレッグでテイクダウンを奪い、さらに立たせて心身ともに削っていったラシャド・エヴァンス。いやらしいまでのゲームプランは、チアゴのスタミナを奪っていった (C) ZUFFA

ウェービングの状態で、距離を詰め組みついたラシャド。チアゴが首相撲の態勢になると、ラシャドはシングルレッグから尻持ちをつかせる。ここでチアゴが立ち上がると、ダブルレッグからテイクダウンに成功した。

サイドからマウントを奪ったラシャドだったが、すぐに足を戻したチアゴは立ち上がり、ケージに押し込まれながらも、ヒザを突き上げていく。距離が離れると、再びウェービングからパンチを振るうラシャドは、チアゴのヒザ蹴りにダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪う。上四方にラシャドが回ると、すかさず立ち上がったチアゴは、ローキックを放った。


チアゴはラシャドの右にフックを合わせようとするが、打ち終わりに組みつかれ、離れ際に強烈なボディを受ける。またもテイクダウンを許したチアゴは、立ち上がって向き合い距離ができたところで、左右のフックを見せるが、これはヒットせず。グレッグ・ジャクソン×ATT、GSP×チアゴ・ピッチプル・アウベス戦を彷彿させる試合展開で1Rが終了した。

2R、左右のフックから組みついたラシャドに対し、チアゴは右脇を差し上げテイクダウンは遮断する。守勢に回るシーンが多いチアゴは、離れ際にアッパーを見せるが、これは空振りに。距離が広がると、またもダブルレッグで倒されたチアゴは後方回転から立ち上がるも、ラシャドは直後にまたもテイクダウンに成功。それまでの試合展開と同様に、チアゴはシングルレッグから立ち上がるか、ラシャドのペースで戦い続け、劣勢を挽回できない。

オーソの構えから、パンチを振るいつつ、軸足が後ろ足になると組みつくラシャドを攻略できないチアゴが、ようやく左ミドルをヒットさせる。しかし、このミドルの効果はなく、またもGSPばりのダブルレッグでケージ際に運ばれ倒されてしまう。

徹底したゲームメイキングで試合を進めるラシャドに、チアゴは一本かKOしか逆転は見込めない状況だ。

最終ラウンド。チアゴとしては、後ろ足にダメージを与えたいが、ローを出そうにも、間合いを潰され、すぐにケージに押しこまれてしまう。1R、2Rと同様にテイクダウン→立ち上がるという展開が繰り返される最終回。残り時間は3分となり、いらつきを隠せないチアゴが、『もっと来い』と両手を挙げてアピール。さらにノーガードで挑発するチアゴだが、ラシャドはゲームプランに忠実で前には出てこない。

ここでチアゴの左から右ストレートがついにヒットし、ラシャドはシングルレッグの態勢でピンチをしのごうとするが、パウンドを落とされる。シングルレッグから立ち上がったラシャドだが、ダメージが残っていて動きが鈍い。思い切りパンチを伸ばすチアゴは、ここで仁王立ちになって、ラシャドが前に出てくるのを待つ。1R&2Rの戦いで削られ、スタミナをロスし、肝心なところで手が出なくなってしまった。

残り時間30秒、ラシャドのシングルレッグを切りきれず、ケージに押し込まれるチアゴは、腰に手を回されるが、何とか首相撲の態勢へ、しかし、決めの一発を放つことができず試合終了。ジャッジの裁定は3者とも29-28と妥当なスコアで、ラシャドが判定勝ちを収めた。

「次? アクターがUFCのファイトに戻ってくると聞いている。ランペイジとやりたい」と勝者は語り、オクタゴンを後にした。

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