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【Bellator241】「過去最高の姿を──」。16年半前に日本で滝田J太郎と対戦、ヴェイケルがサンチェス戦へ

Daniel Weichel【写真】すっかりと渋い大人になったダニエル・ヴェイケル (C)BELLATOR

13日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator241「Pitubull vs Carvalho」で、ダニエル・ヴェイケルがフェザー級ワールドGP準々決勝でエマニュエル・サンチェスと対戦する。

2003年のダニエル・ヴェイケル

2003年のダニエル・ヴェイケル

プロデビューは17年10カ月前のオランダ修斗、2戦目でアレッシャンドリ・ペケーニョの愛弟子をヒザ蹴りで下し、3戦目にして初来日を果たした。

あれから16年と4カ月──今やドイツを代表するMMAファイターとして、ベラトール在籍が6年を越えたヴェイケル。

サンチェスとの大勝負を前にして、渡米直前にヴェイケルに国際電話でインタビュー。すっかりベテランとなったヴェイケルはフランクフルト、自ら所属するMMA Spritの環境がベストだと断言した。


──現在の調子はいかがですか。

「最高だよ。僕のチーム、MMAスピリットで完璧なキャンプができた。もうあとは米国へ行って、試合を戦うだけさ」

──ダニエルは2003年、今からもう16年半も昔に来日し修斗のリングで滝田J太郎選手と戦っています。

ルタリーブリの新鋭ドゥドゥをヒザ蹴りで下し、来日のチャンスを得た

ルタリーブリの新鋭ドゥドゥをヒザ蹴りで下し、来日のチャンスを得た

「そうだなんだよ(笑)。プロ2戦目でオランダで行われた修斗の試合でアレッシャンドリ・ペケーニョの弟子ドゥドゥ・ギマリャエスに勝って、日本に行くことができた。

日本で戦ったことは特別な経験になっているよ。あの時、まだ僕は18歳とか19歳で……日本に行って文化も違い、スポーツを見る目も違う人達の前で戦えた。日本のファンは、MMAにとても思い入れがあって、素晴らしい経験になったよ」

──あの頃、MMAがここまで世界に広まり17年後もMMAファイターを続けていると想像できましたか。

「僕は誰にも負けないほど、MMAを愛している。あの当時からそういう気でいたけど、ずっとこのスポーツを続けていられるなんて思ってもいなかったよ」

──日本で戦ってから10年半後にダニエルの名前をベラトールのロースターに見つけた時は、非常に驚きました。ドイツやロシアでの試合はなかなか日本には伝わってこなかったので。

「MMAスピリット、そしてフランクフルト、ドイツを代表してMMA界最大級のプロモーションで試合ができることを凄く光栄に感じたよ。ベラトールで戦うことは、僕の全てだ。ここで戦い、家族の将来を安泰なモノとしたい。そのために戦っている」

──今、ドイツではMMAはどれほど盛んになっているのでしょうか。

「MMAはどんどん成長しているよ。GERMAN MMA Championship、GMCが活動を始めて10年になり、カシュトロップ・ラウクセルからハンブルク、デュッセルドルフ、ケルン、オーバーハウゼン、ディイスブルク、ミュウヘン、ベルリンとドイツの主要都市で大会が行われている。

非常にしっかりとしたイベントでテレビ中継もあり、人気も高いんだ。GMCの活動がドイツのMMAの成長の証といえるだろうね。それにフランクフルトの街では、人々が僕のことをMMAファイターのダニエル・ヴェイケルだと認識してくれている。とても嬉しいよ」

──今、欧州圏のファイターも米国で練習をするケースが増えていますが、そのようにドイツのMMAが盛り上がっているからこそ、ダニエルもドイツを拠点活動できるということでしょうか。

「MMAスピリットは9年半前にオープンして、もう10年近い歴史のあるジムだし、僕にとって文句がつけようのない環境が整っている。ジムにはケージとリングが備わっていて、トレーニング・マシーンも充実している。同じビルにはフィジオセラピスト(理学療法士)もいるし、一つの屋根の下で全てが補える。

何よりもヘッド・コーチであり打撃コーチでもあるモハメッド・オワリ、レスリング・コーチはドイツのベスト・フリースタイルレスラーの一人であるサバ・ボラギ、ブラジリアン柔術はIBJJFのヨーロピアンやNAGAで優勝しているサシャ・ランコビッチが指導者で、最高のコーチ陣に囲まれている。

練習パートナーもM-1フェザー級王者だったイワン・ブヒンケル、GMCヘビー級王者のステファン・プッツ、PFLで戦っていたマックス・コガ、レスリング・コーチのボラギはGMCのフェザー級チャンピオンだし、ドイツで一番のジムだよ。どこかに遠出をする必要も、もちろん国境を越えることも必要もない。過去10年間、ずっとベストな場所で試合前の準備をしてきたからね。

まぁ他の欧州の選手が、自分がベストの環境だと思って米国に渡って練習することもあるだろう。人それぞれだからね。僕にとっては今の環境が最高で、ここにいるからこそ最高の練習と準備ができると思っている」

──ところで対戦相手のエマニュエル・サンチェスとは3年半前に戦い、スプリットの判定勝ちでした。

「接戦だったよ。でも、間違いなく僕の勝ちだった。今回はもっとハッキリとした形で勝利を手にするよ。あの頃よりサンチェスは柔術が強くなって、よりアグレッシブに一本を狙う。打撃も圧力をかけるのが巧くなっている。まぁ、でも気をつけるのはグラウンドだね」

──サンチェスの成長に対し、ダニエルはどこか伸びたと思いますか。

「全ての局面において成長している。これはMMAだからね。全ての要素が巧く回せるようにならないといけない。そういう意味で、僕はMMAファイターとして前の試合の時よりも強くなっているよ」

──ではワールドGP準々決勝、どのような試合をしたいと考えていますか。

「全て……僕の全てを見せる。気持ち、圧力……僕の身の内にあるMMAの全てをぶつけるよ。過去最高のダニエル・ヴェイケルを皆に見てもらうよ」

■Bellator241計量結果

<Bellator世界フェザー級選手権試合&ワールドGP準々決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ: 144.75ポンド(65.65キロ)
[挑戦者]ペドロ・カルバーリョフ: 145ポンド(65.77キロ)

<フェザー級ワールドGP準々決勝/5分5R>
ダニエル・ヴェイケル: 144.75ポンド(65.65キロ)
エマニュエル・サンチェス: 145ポンド(65.77キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン: 264.5ポンド(1119.97キロ)
ホニー・マルクス: 256ポンド(116.11キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ポール・デイリー: 170.5ポンド(77.34キロ)
サバウ・ホマシ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ライト級/5分3R>
ニック・ニューウェル: 155.25ポンド(70.42キロ)
ザック・ゼーン: 155ポンド(70.31キロ)

<ミドル級/5分3R>
アナトリー・トコフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ファビオ・アギラー: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ホビソン・グレイシーJr: 170ポンド(77.11キロ)
ビリー・ゴフ: 169.75ポンド(76.99キロ)

<160ポンド契約/5分3R>
ベイビー・スライス: 159 ポンド(72.12キロ)
カヒーム・マーリー: 158.25ポンド(71.78キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン: 185.75ポンド(84.25キロ)
パット・マッカラン: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロメロ・コットン: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジャスティン・サムター: 185ポンド(83.91キロ)

<ライト級/5分3R>
キリズ・モタ: 155ポンド(70.31キロ)
ネイト・アンドリュース: 155.5ポンド(70.53キロ)

<フェザー級/5分3R>
レアンドロ・イーゴ: 145ポンド(65.77キロ)
ドミニク・マツォッタ: 149.5ポンド( 67.81キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
レスリー・スミス: 146ポンド(66.22キロ)
ジェシー・ミーリー: 146ポンド(66.22キロ)

<140ポンド契約/5分3R>
マイク・キンベル: 139.5ポンド(63.27キロ)
ケニー・リベラ:──ポンド(──キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マーク・レミンガー: 171.5ポンド(77.79キロ)
イオン・パスク: 170.25ポンド(77.22キロ)

<ライト級/5分3R>
ウラディミール・トコフ: 155.25ポンド(70.42キロ)
マーカス・スリン: 155.5ポンド(70.53キロ)

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